冬場に多い、温度差で起こるヒートショックの原因と予防法のご紹介。
2024.11.26
ヒートショック
大きな気温の変化によって血圧が急激に上下し、心臓や血管の疾患が起こることを「ヒートショック」といいます。
血圧の上下により、脳内出血・大動脈解離・心筋梗塞・脳梗塞などの病気が起こります。
ヒートショックが起こる原因とは?
ヒートショックの原因は、血圧の変動によって起こります。人の体は気温の変化に伴い、体温を一定に調節しようとして血管の収縮・拡張を調整しています。気温が低ければ、体の熱が外に逃げないよう血管を収縮させて血流を減少させるため、血圧は上昇します。反対に気温が高ければ体温が上昇しないよう、血管を拡張させて血流を促し、身体の熱を外に逃がそうとするため血圧は低下します。
入浴などで急激な温度差が生じると、血圧の変動も大きくなり身体に負担がかかる結果、ヒートショックが生じます。
ヒートショックの影響を受けやすい人とは?
・65歳以上の高齢者
・高血圧、糖尿病、動脈硬化などの疾患がある
・肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある
・浴室やトイレに暖房設備がない
・一番風呂や熱いお風呂が好き
・飲酒後にお風呂に入る習慣がある
・30分以上湯船に浸かっている
ヒートショックの予防対策法とは?
【入浴前後に水分補給】
入浴すると汗をかき、体内の水分が減って血液がドロドロになります。
その状態だと血栓ができやすく、血圧がが上がると脳梗塞・心筋梗塞になりやすいため、入浴前後に水を飲むことで血圧や血流の変動による脳疾患などを引き起こさない状態が作れます。
【食後1時間以上空けて入浴】
食後は消化器官に血液が集まり、血圧はやや低くなっています。そこに入浴をするなど血圧を上げる行動をすると、血管内の変動がより大きくなり、ヒートショックを引き起こしやすくなります。
【飲酒は入浴後】
飲酒すると、血管が拡張し血圧低下を起こしたり、体の反応も低下して転倒しやすくなります。危険性が高まるので、飲酒後の入浴は避けましょう。
【部屋間の温度差をなくす】
脱衣所や浴室に暖房器具を設置するなど、暖かくしておくことが重要です。浴室内に暖房器具がない場合は、お湯を張った浴槽のふたを開けておくことで浴室内は温まります。
【ゆっくり温まる】
入浴時、いきなり浴槽に入らず心臓に遠い手・足からかけ湯をするなど、お湯の温度に体を十分に慣らしてから浴槽に入るようにしましょう。急激な血圧の変化を防げます。
【湯温を低めにする】
浴槽の湯温が高いと、心臓に負担がかかります。38~40℃程度のぬるめのお湯から入り、熱いお湯を足して徐々に温まるようにしましょう。
【長湯をしない】
長湯をすると、心臓に負担がかかり疲労感が増し転倒しやすくなります。
また、血圧が下がりすぎてしまい、入浴後に血圧が上昇すると症状が発生しやすくなります。
【急に立ち上がらない】
浴槽から出るとき、急に立ち上がると血圧は急激に下がります。立ちくらみを起こし、転倒しやすくなります。
【浴室に手すりをつける】
手すりがあれば、めまいが起きても倒れる途中でつかむことができ、転倒を防げます。
【声かけする】
入浴中にヒートショックが起きても、他の人がすぐ発見して処置をすれば溺死にまで至らないことが多くあります。家族の方やヘルパーさんなどが入浴時に声をかけ、安否確をすることも大事です。
ヒートショックが起きた場合は?
【自分に起きた場合】
めまいや立ちくらみなどの症状が出た場合は、その場にゆっくりしゃがむ、もしくは横になりましょう。立ったままでいると、転倒したり失神したりする可能性があります。入浴時に症状が出た場合は、溺水予防のため浴槽のお湯を抜いた方がいいでしょう。また、家族の方をすぐに呼んで助けを求めましょう。
【家族に起きた場合】
家族にヒートショックが起きた場合、救急車を呼びましょう。どこでヒートショックが起きたかが重要になります。
一番危険なのは、浴室で起きた場合です。顔がお湯につかっていたら頭部を水面から出し、身体を浴槽から出して呼吸状態の確認と気道を確保しましょう。また、嘔吐したりして窒息しないよう、横向きになる回復体位という姿勢をとることも大事です。回復体位をとって救急車の到着を待ちましょう。
なかなか良くならない痛みにお悩みの方は、お気軽にお近くのあい鍼灸院・接骨院にご相談ください。